糸から作る虹の話 / 23FW PRODUCT
気温も下がり、秋の訪れを感じます。私は熟した柿が好きです。
.
今回のブログでは、私にとって初めての取り組みであった糸から考えた服づくりについて少し話します。
.
愛知県一宮市で、かすり染めの職人さんと出会い、50年以上の歴史ある染色工場に訪れ、糸から服を作る楽しさを知りました。
.
かすり染めは、1本の糸を多くの色で染める染色方法です。色の調合により、数えきれないほどの色の種類と染めるピッチの幅により、他にない糸を作ることが出来ます。
.
.
ショウタヒヤマの23年秋冬コレクションは、空の色の移り変わりゆく美しさから着想を得ています。
.
今回の糸は、虹を表現しています。日常の中で、ふとした時に見えた虹に気分が上がる。そんな虹を見た時の高揚感を服を着て体現したいという思いから作り始めました。
.
かすり染めの特徴でもある1本の糸に多くの色で染められることから、職人さんと共に数ヶ月かけて、虹の色をした糸を作りました。
.
.
そして、服づくりに置いて、服の魅力を考えた時に、手間をかけるからこそ生まれるものがあるという考えから、手編みにより一点一点編み上げています。
.
拘った点はたくさんありますが、特に拘ったのは撚糸(ねんし)方法です。染め上がった1本の虹の糸を、どのように糸をより合わせていくのかです。様々な撚糸方法を試すことでで出来上がりが大きく違うことも、はじめて学びました。
.
撚糸により、機械では編むことのできない太さの糸を作り、手編みだから編める糸を使い、糸本来の風合いと柔らかさを活かしました。実際に編んで頂いた試作品のニットを着た時、鳥肌がたった。これだと。
.
同時に、手編みの商品化は一筋縄ではいかないことも知った。技術のある職人さんに出会うことが難しいことと1着にかかる時間から考えて、1ヶ月の生産数が非常に少ない。
.
だけど、興味を持ってくれた方々に私が体感したように手編みの魅力を感じてもらえるように職人の方々と二人三脚で続けていきたいと、手編み職人さんから届いた手紙を読んだ時に強く思いました。
.
.
今回、使用している糸はアンゴラ山羊の毛であるモヘアです。あえて、アダルトモヘアを選ぶことで、モヘアの特徴である毛足の長さと光沢や滑らかさは感じられつつも、アダルトならではの程よい柔らかさがあります。(キッドやヤングモヘアは、さらに柔らかいです。)
.
なぜ、アダルトモヘアなのか?私の好きがアダルトモヘアでした。古着屋さんに並ぶモヘアニットたちの経年変化により毛足が少し束になっていたり、柔らかいが少し固いあの感じが好きで、あの感じになる糸を選ぶ中でアダルトモヘアになりました。経年変化を楽しみに着ています。
.
サイズ展開は、セーター・アームウォーマー・帽子の手編みシリーズ全てワンサイズになります。
.
.
以上、虹の話でした。
.
Made in Japan
.
RAINBOW DYE MOHAIR HAND KNIT SWEATER
¥64,900
RAINBOW DYE MOHAIR HAND KNIT 2WAY HAT
¥13,200
RAINBOW DYE MOHAIR HAND KNIT GLOVES
¥8,800
.
end.
.
Have a beautiful day.
.
Shota Hiyama